
⚫︎ 大藏山 杉本寺(だいぞうざん すぎもとでら)
- 所在地 鎌倉市二階堂903
- 宗派 天台宗
- 本尊 十一面観音3躯(秘仏)
- 創建 天平6年(734年)
- 開山 行基(開基:光明皇后)
- 札所 坂東三十三観音 第1番
鎌倉三十三観音 第1番
鎌倉二十四地蔵尊 第4・6番
【アクセス】
JR鎌倉駅東口の4番乗り場から京急バス〔鎌23・鎌24・鎌36〕に乗り「杉本観音」で下車。
※ 乗車時間10〜15分/停歩1分
【駐車場】
なし・近隣にコインパーキングあり


杉本寺は、天平3年(731年)にこの地を訪れた行基が十一面観音を作って安置したことにはじまり、光明皇后の寄進により本堂が建立されました。
その後、仁寿元年(851年)に行基作の観音像に感銘を受けた円仁(慈覚大師)が十一面観音を作って安置し、続いて寛和元年(985年)に花山天皇の命を受けた源信(恵心僧都)が十一面観音を作り、当寺に納めたといわれています。この三体の観音さまが杉本寺のご本尊・別称「杉本観音」です。

行基作の観音さまには「下馬観音」や「覆面観音」の異名があって、これは『馬に乗ったまま無礼に杉本寺の前を通ると必ず落馬するので、建長寺を開山した中国の僧・蘭渓道隆が祈願し袈裟で顔を覆ったところ、落馬する者がいなくなった』という伝説に由来するんだとか。今では覆面は外されていますが、頒布されている御影は覆面を付けた姿で描かれています。
杉本観音は、元は大倉(蔵)観音と総称されていましたが、文治5年(1189年)に堂宇が焼失する火災が発生した折、ご神木の杉の木の根本にご本尊を非難させた(伝承では自ら非難していた)ことから、杉本観音と呼ばれるようになったそうです。この火災から2年後の建久2年(1191年)には、源頼朝が参拝して修理費と御前立ちの十一面観音像を寄進し、ご本尊は秘仏となりました。
境内の入口は、バスの進行方向に歩いてすぐ左手にあります。

階段の両脇に連なる「十一面杉本観音」と書かれた白い幟(のぼり)旗が目印。

山門に続く階段の途中に受付があるので、拝観料を納めて「お寺の案内」と「拝観券」を受け取ります。

【拝観料】 一般(高校生以上)300円
中学生 200円
小学生 100円

柱や天井には千社札がビッシリ。中にはかなり古そうなお札も残されていて、歴史を感じました。新たに貼るのは厳禁です。

門の左右では、悪いものが入りこまないよう仁王像が睨みを効かせています。運慶作と伝わるようですが…どうなんでしょう?

山門は裏から見ても綺麗です。(令和7年に葺替予定)

山門の先が有名な『苔むした石段』です。すり減った石段は長い年月、多くの人が参拝に訪れた証。苔の見頃は6〜7月頃(梅雨時)ですが、3月下旬でも十分に美しい眺めでした。

苔の石段は、現在では切り出しが禁止されている貴重な「鎌倉石」で造られています。
石段の右手には、大蔵弁財天を祀るお堂があります。こちらの弁天尊にお参りすると、大きな蔵が建つほど富に恵まれるんだとか。


シダに覆われていて見づらい時期もありますが、弁天池の奥には洞窟があります。祀られているのは白蛇ですかね…?
苔の石段は立ち入り禁止のため、左側のゆるやかな階段を上ります。

階段を上り切ると本堂が建つ平場に到着。手水舎は本堂正面の石段の近くにあります。


趣のある本堂は延宝6年(1678年)築の建物で、県の文化財に指定されています。内部は外陣、内陣、内々陣の三分構造になっていて、寺務所の前から靴を脱いで内陣に上がることができます。
- 追加料金不要(拝観券を木箱に入れる)
- 賽銭箱がたくさんある(小銭を用意)
- 堂内は撮影禁止
ご本尊は秘仏ですが、ご開帳日以外でも格子戸のところから遠目に拝観することは可能です。

① 前立十一面観音 伝・運慶作 頼朝寄進
② おびんずる
③ 地蔵菩薩(身代り地蔵)伝・運慶作
④ 地蔵菩薩(尼将軍地蔵)伝・快慶作
⑤ 新十一面観音
⑥ 秘仏本尊 十一面観音 伝・行基作
⑦ 秘仏本尊 十一面観音 伝・円仁作
⑧ 秘仏本尊 十一面観音 伝・源心作
⑨ 毘沙門天 伝・宅間法眼作
⑩ 不動明王
⑪ 観音三十三身 伝・運慶作

本堂の裏手の山は杉本城跡で、南北朝時代に激しい攻防戦が繰り広げられた場所。本堂の右手に並ぶ古い五輪塔群は、斯波家長とその家臣らを供養するものと伝わります。

鐘楼堂の前に咲く濃いピンク色のお花は寒緋桜(カンヒザクラ)です。3月上旬頃に開花します。

五輪塔群の隣には七体のお地蔵さま(六地蔵と堂内③身代り地蔵尊の御前立ち)、そのさらに左奥には白川・熊野権現堂が建っています。


裏の山肌にはいくつも横穴があって、小さな石の祠のようなものが祀られていました。

権現堂の前を脇に入ると稲荷堂があります。

休日の日中でも人は少なめ。境内はとても静かでゆったりとした時間を過ごすことができました。

お手洗いは本堂に向かって左奥にあります。男性/女性のマークが可愛いんですよ。

内々陣や本堂の裏の横穴を拝見していてふと横を見ると、まさかの男性小便器がむき出し!!開放感ありすぎですね。笑
使用中じゃなくて良かったです☺︎
鐘楼堂の奥にある細い道から下りると、頑張って上った分の眺望が楽しめます。


御朱印は本堂の中の寺務所でいただけます。
